打ち上げ能力(どれだけ重い荷物を運べるか)と kg あたりの打ち上げコストを一覧化しました。投資家視点で見ると、kg 単価は競争力を測る重要指標です。Starship が本格運用に入ると業界全体の単価が劇的に下がる可能性が議論されています。
凡例: LEO=低軌道(高度〜2,000km) / GTO=静止トランスファ軌道 / SSO=太陽同期軌道 / kg単価は公開情報+業界推定の ※目安
| ロケット | 運用 | LEO (t) | GTO (t) | 再使用 | LEO 1kg 単価 (USD・目安) |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Falcon 9 (再使用) | SpaceX | 17.4 | 5.5 | ✓ | $2,500〜3,000 | 主力商用機。1段着陸回収・再使用が標準 |
| Falcon Heavy | SpaceX | 63.8 | 26.7 | 部分 | $1,500〜 | 大型ペイロード・有人月計画・GTO高軌道向け |
| Starship V3 | SpaceX | 100〜150* | 21* | ✓ 全段 | $200〜500* | 開発中。完全再使用でコスト破壊の本命 |
| Electron | Rocket Lab | 0.32 | — | 一部 | 約 $23,000 | 小型衛星専用。打ち上げ単価は高いが軌道精度が売り |
| Neutron | Rocket Lab | 13* | 8* | ✓ | $3,800* | 開発中(2026年初飛行目標)。中型再使用機 |
| New Glenn | Blue Origin | 45 | 13.6 | ✓ | $1,500〜2,000* | 大型再使用機。Falcon Heavy 対抗 |
| Vulcan Centaur | ULA | 10.8〜27.2 | 6.5〜15.3 | — | 約 $5,000 | SRB 0〜6本で能力可変。政府・国家衛星向け |
| Ariane 62 / 64 | Arianespace | 10.3 / 21.6 | 5.0 / 11.5 | — | $5,000〜7,000* | 欧州主力。62はSRB2本/64は4本 |
| H3 🟢 | JAXA / 三菱重工 | 4.0〜6.5 | 3.5〜6.5 | — | 約 $5,000* | 日本の主力。H-IIA 比でコスト半減目標 |
| KAIROS 🟢 | Space One | — | — | — | $20,000〜* | SSO 150kg級小型固体。日本民間商業射場の挑戦者 |
| 長征5号 | CASC(中国) | 25 | 14 | — | 約 $4,500* | 中国の主力大型機。月探査・宇宙ステーション補給 |
| PSLV | ISRO(インド) | 3.8 | — | — | $10,000〜15,000* | SSO 1.75t 主力。打ち上げ実績豊富 |
| LVM3 | ISRO(インド) | 10 | 4 | — | $5,000〜8,000* | 大型機。月着陸機チャンドラヤーン3 で実績 |
* = 開発中・公式非公表に基づく業界推定値(実際の契約単価は条件で変動)
🟢 = 日本のロケット / 単価は契約形態・残ペイロード余裕・打ち上げ回数で大きく変わる
目次
💡 投資家視点での読み解き
- Falcon 9 が事実上の業界基準:再使用で 1kg あたり 2,500〜3,000 ドル。商業打ち上げ市場の 80%超を占有しています。
- Starship が業界を破壊する可能性:完全再使用で 500 ドル/kg 以下を狙います。実現すれば衛星設計の前提が変わり、「重く作っていい時代」が来るとも言われます。
- Electron は単価では負けるが軌道精度で勝負:小型衛星専用に絞った戦略。Neutron で中型市場参入を目指しています。
- New Glenn は Falcon Heavy 対抗:大型再使用機として 2026年に本格運用入り。商業・政府双方の顧客獲得が焦点です。
- 日本勢(H3 / KAIROS):H3 は欧州・米中型機と価格競争に挑みます。KAIROS は超小型市場で Rocket Lab・Firefly と競合する立ち位置です。
