Astraに約1,000万円突っ込んで溶かした話:宇宙テーマに賭けて溶かした個人投資家のリアル

🚀 個人投資家の告白

Astra Space に約1,000万円突っ込んで溶かした話

宇宙テーマに賭けて、SPAC上場の熱狂、そして上場廃止——当事者として全プロセスを目撃した個人投資家の実体験記録です。

「次のテーマは宇宙だ」

2021年、私はX(当時のTwitter)でそう確信していました。

SpaceX が民間ロケットを次々と打ち上げ、SPAC(特別買収目的会社)を通じて宇宙ベンチャーが続々と上場していた時期。テスラの次に来る巨大テーマは間違いなく宇宙だと、私は信じて疑いませんでした。

そして私が選んだのが、Astra Space(ASTR)でした。

結論から言うと、約1,000万円、溶かしました。(正確には約940万円ですが、切りよく「1,000万円溶かした男」と自称しています。お許しを。)

これは、その全記録です。


目次

私が Astra に惹かれた3つの理由

Astra Rocket 3.0 打ち上げキャンペーン
Astra Rocket 3.0 の打ち上げキャンペーン(出典:DARPA/パブリックドメイン)

2021年夏、Astra Space は SPAC を通じて NASDAQ に上場しました。当時の株価は 約2,000円($13)前後。市場の期待は最高潮でした。

私が惹かれた理由はシンプルです。

1. SPAC上場の勢い

ここでSPACについて、少し補足します。

SPAC(Special Purpose Acquisition Company、特別買収目的会社)とは、簡単に言えば「買収するためだけに作られた、中身のない上場会社」のことです。

通常、企業が株式市場に上場するには厳しい審査を経た IPO(新規公開株式)を通る必要があります。財務監査、業績の証明、複雑な手続き、長い時間がかかります。

でも SPAC は違います。

  1. まず空っぽの会社(SPAC)が先に上場する
  2. その後、SPACが未上場の企業を買収する
  3. 買収された企業が、自動的に上場企業になる

つまり、通常のIPO審査を経ずに上場できる「裏口」のような仕組みです。

2020〜2021年、このSPAC上場ブームが過熱しました。コロナの金融緩和で投資マネーが溢れ、未上場の成長企業が次々とSPAC経由で上場した時期です。宇宙ベンチャーも例外ではなく、Astra、Rocket Lab、Virgin Galactic、BlackSky など、ほぼ全てがSPAC経由でした。

当時の私は、このSPAC上場の勢いを「新しい時代の象徴」と捉えていました。「IPOの古い仕組みに縛られない、革新的なスタートアップが続々と上場している」「乗り遅れたら、次のテスラを逃してしまう」——その熱狂が、私の判断を曇らせました。

後に分かることですが、SPAC上場の多くは業績が伴わない企業の見せかけの上場でした。SPAC上場銘柄の株価は、2022〜2023年にかけて軒並み暴落。「SPAC=新時代」ではなく、「SPAC=審査の甘い上場ルート」だったわけです。

2. 小型ロケットの未来性

SpaceX の Falcon 9 が大型化していく中、Astra は「低コスト・高頻度の小型ロケット」というニッチを狙っていました。衛星コンステレーション時代の到来を見据えれば、絶対に必要なポジションだと思いました。

3. 創業者と経営陣の豪華さ

Chris Kemp と Adam London の経歴と語りに惹かれました。NASA出身、シリコンバレー流のスピード経営。「この人たちなら本気でやり遂げる」と信じました。

さらに2021年2月には、Apple で Mac Pro の設計を率いた Benjamin Lyon が、エンジニアトップとして加入したのです。「Apple の幹部がロケット会社に移籍する」というニュースは衝撃でした。「消費電子の量産ノウハウをロケットに持ち込む」という発想に、これは本物だと確信したのを覚えています。


【フェーズ1】2021年8月〜9月:初期投資と「押し目買い」狙いの売却

2021年8月11日、私はついに Astra の最初の買付を実行しました。

日付取引株数単価
2021/08/11買付220株約1,840円($12.26)
2021/08/11買付80株約1,750円($11.69)
2021/08/12買付100株約1,640円($10.90)
2021/08/13買付100株約1,650円($10.99)

合計500株、約65万円。平均取得単価は 約1,720円($11.5)でした。

そして約3週間後、私は早くも500株すべてを売却しています。

日付取引株数売却単価損益
2021/09/02売付500株約1,440円($9.6)▲約12万円

このタイミングでは、株価はピークから下がり始めていました。実は前月8月28日、Astra にとって SPAC上場後初の商業打ち上げ「LV0006」が、衝撃的な失敗を喫したばかりだったのです。そのことは後で詳しく書きます。

ここで一旦売って、もっと下がったところで買い直そう」と思いました。完全にトレードのつもりでした。宇宙テーマには引き続き乗る。でも目先の高値圏では一旦現金化して、押し目で再エントリーする。それが当時の判断でした。

でも結果として、これが私の Astra 投資が 「長期投資」から「トレード」に変質した最初のサインだったと思います。

「長期で持つ宇宙テーマ株」のつもりだったのに、12万円の含み損で耐えきれずトレード的に動いた。そして私は、株価が下がるたびに買い増しを繰り返す泥沼に入っていきました。


【フェーズ2】2021年12月〜2022年:ナンピン地獄の始まり

2021年12月24日、株価が 約1,240円($8.27)まで下がっていた時、私は本格的なナンピンを開始します。

日付株数単価投資額
2021/12/241,750株約1,240円($8.27)約166万円

クリスマスイブの大型ナンピン。「ここが底だろう」と。でも、底はもっと深かった。

時期株数平均単価投資額累計投資額
2022/011,600株約1,020円($6.79)102万円約333万円
2022/034,650株約600円($4.0)229万円約562万円
2022/0511,000株約440円($2.9)420万円約982万円
2022/061,000株約345円($2.3)32万円約1,014万円

特に2022年5月は異常でした。1ヶ月で11,000株、約420万円分の Astra株を買い増していました。

そして気がつけば、私の Astra 保有株数は20,000株を超え、投資総額は約1,000万円に達していました。含み損は約600万円超。


【フェーズ3】2022年:Rocket 3 の連続失敗と、Rocket 4 への希望

2022年、Astra の打ち上げは惨憺たる結果でした。

Rocket 3 は7回中わずか2回しか軌道投入に成功せず、6月には NASA の衛星ミッション(TROPICS-1)を失敗。会社はついに Rocket 3 を引退させると発表します。

普通ならここで撤退すべきでした。

でも私は、その年5月に開催された Spacetech Day での発表に強く期待していました。Astra が初めて開催した投資家向けイベントで、ベイエリアの工場から YouTube でライブ配信されたものです。

そこで初公開されたのが、Rocket 4(Launch System 2.0)でした。大規模な工場、整然とした生産ライン、自信に満ちた経営陣の語り。あの映像を見て、「これは本物だ。本気でやっている」と確信しました。

Chris Kemp はこう語っていました。

Rocket 3 では5基のエンジンを使っていたが、Rocket 4 ではより大型の2基のエンジンに統合する。推力は2倍、エンジン数は減らして効率化する

これを聞いた時、私は「凄い。技術的にブレイクスルーだ」と思いました。そして同時に、心の奥でこうも思ったのです。

そんなこと、本当にできるのか?無理じゃないか?

ロケット開発の歴史を見れば、エンジン構成を変えることは長年の挑戦の積み重ねの結果です。それを「ローコスト・高頻度」を掲げる新興企業が、短期間でやってのける?

でも私は、その直感を尊重しませんでした。「Rocket 4 の開発成功」にかけることにしたのです。

  • 「Rocket 3 は失敗作だった。でも Rocket 4 は違う」
  • 「次世代機が成功すれば、株価は一気に戻る」
  • 「ここで売ったら、これまでの損が確定するだけ」

完全に「コンコルド効果」でした。すでに約1,000万円もつぎ込んでいて、引き返せなくなっていたのです。

そして 2022年10月、株価が 約95円($0.63)まで落ちた時、私は最後のナンピンをしていました。1,000株でわずか9万円。「ペニーストック化したから安い」「これだけ買えば何かあるはず」——完全に「落ちるナイフを掴むな」というセオリーの真逆をやっていました。


信じたい気持ちと、見て見ぬふりした違和感

ここで、当時の自分の頭の中を正直に振り返らせてください。私は「絶対大丈夫」と信じていました。でも同時に、ずっと違和感も感じていたのです。

違和感1:打ち上げが、なかなか成功しない

ロケット会社なのに、打ち上げが成功しない。2020年9月から2022年6月までの間で、7回中わずか2回しか成功していませんでした。成功率28%です。

これは「失敗を前提に」というレベルを超えているのではないか?でも私は「次は成功する」「学習曲線の途中だ」と自分に言い聞かせていました。

違和感2:横にスライドした、あの忘れられない打ち上げ

2021年8月28日。私は今でもこの日のことを鮮明に覚えています。

Astra にとって SPAC上場後初めての商業打ち上げでした。顧客は米国宇宙軍。ロケットは LV0006(Rocket 3.3)。全世界に向けて YouTube でライブ配信されていました。私はもちろん、リアルタイムで見ていました。そして、信じられない光景を目撃したのです。

リフトオフ直後、ロケットは上に登りませんでした。横にスライドし始めたのです。

Astra Rocket 3 LV0006 の横スライド失敗(NASASpaceFlight 撮影)。リフトオフ直後、ロケットが横に滑り出すのが見える。

打ち上げた瞬間、5基あるエンジンの1基がシャットダウン。推力の非対称によって、ロケットが横向きに滑り出しました。このスライドが約20秒続き、その後ようやく残り4基のエンジンで姿勢を立て直し、高度50kmまで上昇。でも軌道には到達することなく、安全のため範囲管制が飛行終了コマンドを発令。太平洋に落下しました。

ロケットが、上ではなく横に走る。

私は宇宙開発の動画をたくさん見てきましたが、こんな光景は見たことがありませんでした。Falcon 9 の派手な失敗映像でも、こんな滑り方はしなかった。あの映像は、まさに「異常」そのものでした。翌営業日、Astra の株価は25%急落しました。

普通に考えれば、ここで撤退すべきでした。でも私はこう思いました。

  • 「いやいや、これだけのデータが取れたんだから、次はきっと大丈夫だろう」
  • 「ケンプも『貴重な学びだった』と言っている」
  • 「次の LV0007 で挽回するはず」

横スライドという、私が生まれて初めて見た光景を目の前にしても、私はまだ Astra を信じていたのです。

違和感3:コンセプトの根本的な矛盾

Astra のコンセプトは「打ち上げ100%成功を目指さず、ローコスト・高頻度を実現する」というものでした。このコンセプト自体は革新的に聞こえました。でも、よく考えるとおかしいのです。

打ち上げ失敗 → FAA や NASA から原因調査の要請 → 打ち上げ停止 → 高頻度打ち上げ実現できない

「高頻度打ち上げ」が売りのはずなのに、失敗するたびに止まる。打ち上げが連続成功しないと、そもそも「1日1回打ち上げ」など実現不可能ではないか?

  • 「あれ?ローコスト・高頻度って本当に成立するのかな?」
  • 「失敗前提なら、衛星を載せる顧客は怖くて頼まないのでは?」

そう思いながらも、私は深掘りしませんでした。

違和感の答え合わせ:その後、何が起きていたか

そして実は、その違和感は後から見ると、それぞれ実際の経緯と重なっていました

違和感 後に判明した事実
ローコスト・高頻度の矛盾2022年8月、Rocket 3 を引退させ Rocket 4(搭載量600kg、Rocket 3 の12倍)へ戦略大転換。「小型・高頻度」モデル自体を諦めた
Rocket 4 の2基エンジン化への疑問Rocket 4 のエンジンは自社開発ではなく、Firefly Aerospace の Reaver と Ursa Major の Hadley の外注。「短期間で2倍推力エンジンを開発」ではなく「他社のエンジンを買ってきて構成を変えた」だけ
いつまで経っても飛ばないRocket 4 のテスト飛行は当初2023年Q4予定。2026年の今もまだ飛んでいない

つまり「2基のエンジンで効率化、本当にできるのか?」という疑問は、結果としてその通りになったということです。でも当時の私は、その違和感に蓋をして、「経営陣を信じよう」と思い込みました。


天才と思っていた経営陣、徐々に見え始めたキャッシュバーンの恐怖

実は2021〜2022年の私は、Chris Kemp たち経営陣のことを「天才」だと思っていました。

SPACブームに乗って巧みに資金調達し、Apple 出身者を引き抜き、ベイエリアに新工場を建て、Spacetech Day で華やかに Rocket 4 を披露する。これだけの動きを矢継ぎ早に決められる経営陣は、確かに普通じゃない。

  • 「IPOのお金で、これだけのスケールを一気に作り上げた」
  • 「ロケットだけでなく、衛星エンジン、宇宙港、コンステレーション、全部やろうとしている」
  • 「これが新しい時代の経営だ」

私はそう感じていました。

でも、新工場と Rocket 4 の本格製造を見て、感じた違和感

ところが、新工場が稼働し、Rocket 4 が本格的に作られ始めた頃から、別の感情が芽生えてきました。

「キャッシュバーンが凄い。この会社、資金が持たないんじゃないか?」

決算を読むと、毎四半期数千万ドル単位でキャッシュが減っていく。売上はほぼ立たない。新工場、Rocket 4 開発、衛星エンジン、上場関連費用、Apple 出身者など高額人材の人件費、宇宙港開発……「事業をやればやるほど、お金が溶けていく」状態でした。

そして当時、宇宙ベンチャー全般が同じ問題を抱えていました。打ち上げ実績がほぼなく、商業収益が立たない状態で、毎月の事業継続コストだけが膨大に積み上がる。私は、はっきり言葉にはしませんでしたが、心の奥でこう思っていたのです。

「資金、もたないかも……」

でも、目をつむりました。「Rocket 4 が成功すれば、株価は戻る」「次の増資で乗り切れる」「経営陣が天才なら、なんとかするはず」——復活を信じてホールドし続けたのです。

Astra の資金繰りは限界に達していた

後に確認したことですが、私の「資金繰り懸念」は結果として現実になりました。

時期 出来事
2023年7月最大 約98億円($65M)分の追加株式売却(増資)を計画。資金枯渇が表面化
2023年9月リバーススプリット(上場維持のため、株価1ドル未満になっていた)
2024年2月創業者MBO(マネジメントバイアウト)受諾。破産回避のためのギリギリの選択

経営陣自身が、「もう運転資金が持たない」と判断した結果だったのです。「天才」と思っていた経営陣は、SPACで集めた数億ドルを使い果たし、上場廃止という結末を迎えました。私が感じていた違和感は、業界では普通に語られていた話だったのです。


【フェーズ4】2023年9月:絶望の大損切り

2023年9月13日、Astra は 1株を15分の1にする「リバーススプリット」を実施しました。NASDAQ の上場維持基準(最低1ドル)を満たすための、苦肉の策です。

私の保有していた21,000株は、1,400株に圧縮されました。

リバーススプリットは、本質的に企業価値を変えるものではありません。15株が1株になるだけで、保有額は変わらない。でも市場へのシグナルとしては「この会社、もう普通の状態じゃない」という強烈なメッセージです。

そして決算を見ると、運転資金のショートが見えていました。現金がもたない。この会社、おそらく持たない。

もう、終わりかもしれない

私はその月、決断します。

日付取引株数売却額損益
2023/09/27売却1,400株396,321円▲9,221,679円

▲約922万円。2年間信じ続けた銘柄から、一発で900万円超の損失を確定させた瞬間でした。

このときの心理は、いまだに鮮明に覚えています。「やっと終わりにできた」という安堵と、「あれだけの金があれば……」という後悔が同時に来ました。

リバーススプリット後の落下が、忘れられない

そして私はこの後、忘れられない光景を見ることになります。リバーススプリット直後、株価が再び落下し始めたのです。

15分の1に統合されて、見かけ上「1ドル超」に戻ったはずの株価。でも市場は容赦なく売り続けました。

1株あたり米ドル(円換算は $1≒150円)
約2,250円($15)→ 約1,500円($10)→ 約750円($5)→ 約300円($2)→ 約150円($1)→ ……
そして1株 0.X ドル台(数十円)へ

リバーススプリットは「株価を戻すための仕掛け」のはずなのに、戻るどころか、もとの絶望的な水準に逆戻りしていく。チャートを見ていると、まるで会社が静かに死んでいくのを目撃しているような気分でした。

ここまで落ちるのか

私はもう Astra をほぼ売却していたのに、なぜか毎日株価を確認していました。そして、毎回数字を見るたびに、「この会社、本当に終わるんだ」という実感が強まっていったのです。

ピークから 99.8% の下落。これは、私が当事者として目撃した、会社が消えていく過程の記録です。


【フェーズ5】2023年12月〜2024年3月:諦めきれない、未練の取引

普通なら、ここで Astra から完全に離れるべきでした。でも私は離れられませんでした。

リバーススプリット後、私は2023年10月にもう一度、株価1ドル台で再買付を試みていました。約110円($0.73)でも 1,000株購入しています。「もう完全に底だろう」と。

そして 2023年12月、株価が 約205円($1.37)まで戻った時に売却。なんとか12万円の利益を出して、未練の決済を試みました。

日付取引株数損益
2023/12/29売買3,300株+124,786円

922万円損した後の 12万円の利益。焼け石に水でした。そして 2024年3月、最後の賭けに出ます。

日付取引株数単価損益
2024/03/04買付(NISA)1,850株約190円($1.26)
2024/03/28売却(NISA)1,850株約93円($0.62)▲約18万円

「ペニーストックまで落ちた今こそ、リバウンドが来るはず」「上場廃止の噂もあるが、最後に何か起きるかもしれない」——そんな淡い期待は、3週間で粉砕されました。


2024年7月:Astra、ついに上場廃止

2024年7月18日、Astra は創業者MBOにより非公開化されました。買収価格は1株 約75円($0.50)。ピーク時の株価から 99%以上の下落 で、私はこの会社との関係を完全に終えました。私が大損切りした日から、わずか10ヶ月後のことでした。

📉 Astra 株価の軌跡(2021〜2024)

2021年8月
SPAC上場・初値圏
約2,000円($13前後)
2022年〜
連続失敗で急落
約100円台($0.6〜2)
2023年9月
リバーススプリット
21,000株→1,400株に圧縮
約150円($1)未満
2024年7月
MBOで上場廃止
約75円($0.50で買収)

ピーク(約2,540円/$16.95)から MBO(約75円/$0.50)まで、約3年で 約97%下落


私の Astra 投資、すべての記録

最終的な数字を整理すると、こうなります。

投資総額

時期投資内容投資額
2021/08初回買付(500株)約65万円
2021/12大型ナンピン(1,750株)約166万円
2022/01続ナンピン(1,600株)約102万円
2022/03ナンピン(4,650株)約229万円
2022/05怒涛のナンピン(11,000株)約420万円
2022/06ナンピン(1,000株)約32万円
2022/10ペニーストックでもナンピン(1,000株)約9万円
投資総額21,500株約1,022万円
2024/03最後の賭け(NISA、1,850株)約35万円

確定損益

時期 損益
2021年9月(早期一部売却)▲123,402円
2023年9月(大損切り)▲9,221,679円
2023年12月(リバウンド狙い)+124,786円
2024年3月(最後の賭け)▲約180,000円
総損失▲約9,398,000円(約940万円)

私の3つの後悔

損失額そのものより、いま振り返って一番苦いのは、自分の判断の歪み方です。3つに整理しました。

後悔1:悪い数字を、新しいストーリーで上書きし続けた

決算を見るたびに数字は悪化していました。打ち上げ成功率28%、毎四半期数千万ドルのキャッシュバーン、商業収益ほぼゼロ。客観的な「成果」は何ひとつ上向いていませんでした。

それでも私は、悪い数字が出てくるたびに新しいストーリーで自分を慰め続けました。

  • 決算が悪くても「次の打ち上げが成功すれば」
  • 打ち上げが失敗しても「Rocket 4 が出れば」
  • 資金繰りが悪化しても「増資が成功すれば」

数字を見ているのに数字を見ていなかった——それが一番の過ちだったと思います。

後悔2:トレードと長期ホールドの境目が曖昧になった

最初は「長期の宇宙テーマ株」のつもりでした。でも2021年9月、12万円の含み損で耐えきれず「押し目で買い直そう」と一旦売却した瞬間から、知らないうちにトレード思考に切り替わっていました。

そこから先はナンピンとリバウンド狙いの繰り返し。長期投資を言い訳に損切りを先延ばしし、「もう底だろう」と思って下落途中で買い増した。2022年5月の TROPICS-1 失敗直前に420万円分、10月に約95円($0.63)まで落ちてもなお買い増した時、もう正気ではなかったと思います。

「底だろう」という直感は、私の場合ことごとく外れました。

後悔3:Rocket Lab という選択肢があったのに、Astra 一極集中だった

これが一番痛い後悔です。当時、Rocket Lab(RKLB)の存在も知っていました。同じ宇宙ベンチャー、同じ小型ロケット、同じ SPAC上場。

企業株価動向(SPAC上場以降)
Astraピークから 99%下落 → 上場廃止
Rocket Lab安値から 40倍超に上昇

同じ SPAC でも、結局は「事業の中身」次第。半分ずつでも分散していたら、Astra の損失は Rocket Lab で相殺できたはずです。「次のテーマは宇宙だ」の方向性は間違っていなかったけど、その中で1社に賭けたのはギャンブルでした。


なぜセオリーを破ったのか

「ストーリーではなくファクトを見ろ」「損切りは早く」「落ちるナイフは掴むな」「分散投資せよ」——どれも投資の基本中の基本で、私も知っていました。

知っていたのに、できなかった。頭で分かっていても、感情には勝てなかった——それだけのことだと思います。

バイアス私を狂わせた感情
損失回避損を確定するのが怖い
認知的不協和自分の判断を否定するのが嫌
確証バイアス信じたいものを信じてしまう
ハロー効果大きな儲けを夢見てしまう

セオリーって、こういう心理に流された時の「防波堤」として効くのだと思います。私はその防波堤を、自分で壊してしまった。知識として持っていても、いざという時に従えるかは別の話——それを身をもって学んだ、というのが今の結論です。


まとめ

Astra で約940万円を失った後、私は Rocket Lab(RKLB)に乗り換え、約2年後に約2,000万円のリターンで表面上は取り返した形になりました。ただテンバガーを引けたのは、Astra で学んだ教訓に加えて、運の要素も大きかったと思います。紙一重で「2回目の失敗で宇宙投資から完全撤退」というルートもあり得ました。

「次のテーマは宇宙だ」という確信は今も変わりません。むしろ SpaceX の IPO 観測や Amazon の本格参入を見ると、ブームというより事業として定着しつつある印象です。

ただ、Astra と Rocket Lab が示したように、テーマが正しくても、銘柄選び・ファクトとの向き合い方・1社集中の回避を間違えると、私のような結果になります。同じ失敗を誰かが繰り返さないように、記録としてここに残します。

→ 次の記事:NISA で Rocket Lab テンバガー達成。約2,000万円取り返した話
(執筆中)

本記事は個人の投資体験を記録したもので、投資助言ではありません。


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